感動コラム

Vol.20
10.05.24

死ぬまでにしておきたいこと

~生き方を見直す~

書店に行くと「死ぬまでにしたい~」というタイトルの本が各種出ていることに驚かされます。
有名なところでは2003年に映画化された「死ぬまでにしたい10のこと」があげられるでしょう。
ナレーションでは主人公を指す時に「あなた」が使われ、「もしも、あなただったら~」という問いかけを強烈に印象付けていました。余命宣告をされた場合のエッセイを女性著名人に書いてもらったものを集めた、同タイトルの本が発売された例もあります。

それからよく「死ぬまでにしたい」というタイトルの物を見かけるようになった感じです。そのものズバリでなくても、「死ぬときに後悔すること」というくくりも見られました。それだけ、人の心を揺さぶるテーマなのだと思います。
以前このコーナーでご紹介した、余命わずかだったテレニン晃子さんの話も、大きなくくりで言えば、同じことだったでしょう。

余命を告げられたら、その時「あなた」ならどうするのか?

この命題は、いつの頃からか、胸の内で囁きかけるようになったフレーズです。自分で自分に聞く時に、一番に出てくるのは子供のこと、そして伴侶のことでした。不思議なもので、やり残したことをやりたいという気持ちではなくて、否応なく残してしまう者たちへの心配が先に立ちました。

恐らく逆の立場なら、わずかな時間しかないのであれば本人のやりたいことを、と周りは考えてしまいます。本当に自分に引き寄せて考える前は、私もそういう考え方でした。ところが、家族が出来てみると、実は逝ってしまう者よりも、残されてしまう者の切なさの方が勝ちました。

何より、逝くのが自分以外の家族でなくてよかったと「ほっ」としてしまったのは正直な気持ちです。見送る側にならなくてよかったという思いは、誰もが持つのではないでしょうか?

それと同時に「できなくなること」よりも「やってあげられなくなること」の方が、どれほど胸を絞る思いかを実感しそうです。またそれがあるからこそ、翻って「残して死ねない」という強い思いも生まれるし、生への執着も熱を持つはず。

けれど、どうしてもやはり自分ひとり逝かなくてはならなくなったとしたら?

導き出せる答えは人それぞれでしょう。ただ、どんな答えが導き出されるとしても、シミュレーションしてみることは、おすすめです。なぜなら、生き方を見直すことができるからです。浮かんできた「やりたいこと」には、後悔が含まれているのではないですか?

しかし、あくまでもシミュレーションなので、今後悔しそうなことは、いくらでも修正がききます。だからこそシミュレーションしてみて欲しいところなのです。余命を医師から宣告されていなくても、明日が来るかわからないのは、誰しも同じはず。私達はみんな、限られた命を生きているのですから。

「原作・死ぬまでにしたい10のこと―初めて人生を愛することを知った女性の感動の物語」
ナンシー キンケイド 著 祥伝社

「死ぬまでにしたい10のこと」
倉田真由美他著 ヴィレッジブックス

コラムニスト : 日野光里

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