鈴木その子さんを偲ぶ「あの人との思い出」

 

 最期まで料理研究家だった
 美白の女王・・・


 東京銀座4丁目のど真ん中に、今ではランドマークになった大きな白い顔の看板がある。
 その街のまさに『顔』それが美白の女王と言われた『鈴木その子』さんである。

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 2000年12月5日、鈴木その子さん死去、享年68歳。

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 その訃報はあまりに突然でした。
 当時、レギュラー出演していた午後の情報番組、日本テレビ『ザ・ワイド』
 その日も午後4時に生放送が終了し、スタジオを離れようとした瞬間、
 今まで私の隣に座っていたジャーナリストで現 参議院議員の有田芳生さんが、
 突然、小声で耳打ちしてきたのです。

 「鈴木その子さん、亡くなったんだって?!」

 私が知っている鈴木その子さんはただ一人、料理研究家で美白の女王と呼ばれた、

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 その人・・・・・しかし、「亡くなった?!」となると、「えっ、まさか!!」
 あまりに突然の問いかけに、しばらく把握できないでいた・・・
 しかも、今の今まで生の番組で私の隣に座っていた有田さんが何故そんな情報???

 「何か、悪い冗談?」そう思い笑い飛ばしていたのはつかの間、
 それが事実、しかも密葬という形で葬儀はすでに終ってしまっている!
 そうした現実の情報を知るまで、あまり時間はかかりませんでした。

 私が鈴木その子さんと出会ったのは『美白の女王』としてマスコミに登場する随分前、
 その子さんが六本木でレストランを経営していた頃、たまたまそこに勤めていた方が、
 知り合いでそのお店に時々伺わせて頂いていたのです。

 その頃は、私がリポーターになるなんて影も形も無く、まさかその後何十年もの時を経て、
 取材でその子さんと、ご一緒することになるなんて・・・・
 ご縁あり、そんな長いお付き合いになるなんてその時は考えもつきませんでした。

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 出会った当時から、最後まで何回くらいお目にかかったでしょうか・・・・
 さまざまなシーンはあれど、その子さんに関して一貫して思うことがあります。
 それは、その子さんが椅子に座っている姿を見たことがないと言うこと。

009.jpg  インタビューなどの取材でお願いする以外は、どっしり腰掛ける姿は皆無。
 いつ何時、お会いしてもご自分から座ろうとなさる姿を見たことが無いのです。
 いつも、何かしら体を動かしていらっしゃる、『時』と共に動き行動していらした
 まさに『時の・・・』(旧会社名トキノ)人だったと・・・そう思います。

鈴木 その子(すずき そのこ)1932年1月20日 - 2000年12月5日

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鈴木その子

出身地:東京都
1932年  東京都目黒区に生まれる。
1952年  学習院女子短期大学卒業。同年結婚。
1974年  株式会社 トキノ「現SONOKO」を創業。
1980年 「やせたい人は食べなさい」出版。
      100万部のベストセラーに。
1982年 「野菜菓子の製法」で特許を取得。
1984年 「鈴木その子のスーパーダイエット」出版。
      一大ベストセラーに。
1985年  東京銀座松坂屋に鈴木その子オリジナル料理の店
      「トキノ」オープン。
1992年 「奇跡のダイエット」出版。
      「拒食症の子供たちを守る会」発足。
      銀座4丁目に新ショップ「トキノ」銀座店オープン。
1997年 「油を使わないマヨネーズの製法」国内特許を取得。
1998年  銀座5丁目に鈴木その子の美の総合館『トキノ』
     『現SONOKO』オープン。
     テレビ出演を機に美白の女王として鈴木その子ブームが
     美白ブームと共に巻き起こる。
1999年  久世光彦演出でテレビドラマ初出演。
2000年  秋のパリコレに進出。ホテルリッツにてファッション
       ショー開催。
      東洋のココ・シャネルとしてパリと日本中の注目を
     一身に集める。
2000年  享年68歳にて逝去。

 

時代の先を読み、さらに磨きを・・・



 世の中に美白ブームと言うものが流行り・・・
 料理研究家を本業とするその子さんは、そのブームに一役買うことになりました。

 「女性として美しく生きる」

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 その子さんが考えるメッセージに基き、料理以外にも手掛ける仕事が次々増えていきます。
 そうした中、テレビなどに登場する機会も多々あり、この頃が一番多忙を極めていました。
 寝る時間は2~3時間・・・
 朝6時に起床した瞬間から深夜に就寝するその直前まで、ご自身の仕事や会社のスタッフなど、
 その隅々まで気を配り、細かい指示を出し、レストランにいたっては、ロールスロイスで
 買出しもされていたそうです。
 自らが行動し、そうした中で教えを説いていたその子さん・・・

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 「私がいなくなったら教えてあげる人がいなくなる・・・」
 ある時、スタッフの方にポツリそう憂う言葉を仰ったそうです。

 「恩義を忘れず、謙虚でいること、自惚れないこと」
 「卑しくない生き方を全うする」

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 21世紀はバラ色なんてとんでもない!、そう考え常々、その子さんは、
 スタッフにはこれから訪れるであろうその荒波の時代を、どう生きて行くのか、
 日々の中でたくさんの言葉と共に教えを伝授していたそうです。
 そう・・・、その子さんの教え伝えたかった事は、見た目の美しさだけではなく、
 人としての美しさ、そして人としての生き方でした。

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 現在、『SONOKO』の会員の方は30万人程いらっしゃるそうです。
 その子さん亡きあとも会員の方の数が大きく変動することはありませんでした。
 つまり、その子さんは生きているのです。
 その会員の皆様がいる限り、その方々の心の中でその子さんの考えや思いは
 今も脈々と生き続けているのです。
 そして、最近はそのお子様方、二世にも受け継がれていっているようです。

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 自らの身を削るように大切なメッセージを残し、風のごとく去っていったその子さん・・・
 「じゃあ、行ってくるね・・・」
 体調が優れず、検査のつもりで行く病院へ そう言って会社をあとにした、
 スタッフの皆さんにとっての最後は、そんな軽いお別れの言葉でした。

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 まるでそれは山の頂上に登りつめ大きく手を振り、笑顔で去って逝かれた・・・
 そんな印象もするほど、爽やかな最後でした。

 パリコレのファッションショーにも挑戦され、パリっ子にも知られているその子さん。
 今でも、ショーが開催された老舗ホテル『ホテルリッツ』には、
 日本では購入することが出来ない、その子さんデザインのバックが置かれています。
 働く女性を誇りに思うパリの女性の中で、その子さんは、
 「一代で財を築き、功績を残した素晴らしき働く日本の女性」として知られています。
 それは、パリで言う『ココシャネル』、世界的に有名なシャネルにも似た存在なのです。

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 今頃、何処で何をしていらっしゃるでしょうか?
 その子さんを事業家として大きな仕事の海原への背中を押すきっかけとなった、
 長男、康之さんとの再会はもうされているでしょうか・・・

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 その子さんが亡くなる2日前・・・
 ご主人である康郎氏とその子さんは病室でお二人だけのひとときを過ごされたそうです。
 料理研究家として、美容研究家として、そして、妻としてもその子さんは愛されていたのです・・・
 そのご主人は数年前、その子さんのもとへ旅立たれたそうです。

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 その子さんの著書『その子』(新潮社)に、こんな言葉があります。
 「自分が愛せる自分になる為の努力を一瞬たりともおろそかにしなかったからこその今日、
 明日は今日より輝かしく、明日の自分はもっと魅力的に、私の追及はやむ事はないだろう。」

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 『SONOKO』の会社を訪ねる時、何故か私はその子さんに会えるかのようにワクワクしてしまいます。
 そこはいつお訪ねしても澄んだ空気が漂い、スタッフの皆様は常に凛として美しくいらっしゃいます。

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 銀座4丁目の大きな白い顔の看板は掲げられて12年・・・
 今年もその記念日、11月23日がやってきます。 変動激しい銀座の中で、
 鈴木その子さんは今日も変わらず誇り高き『その子スマイル』を湛え街を眺め見守っているのです。

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嵯峨 聖子のご紹介

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3月2日生まれ/A型
文化女子大学 生活造形学科中退
大分県別府市生まれ、兵庫県尼崎市育ち

ヴォイストレーナーの第一人者である大本恭敬氏を師に持ち、土居甫氏にダンスを伝授された嵯峨聖子は、歌手としてデビューし、全国高等学校サッカー選手権大会歌として、現在も幅広い世代に親しまれている「ふり向くな君は美しい」などを発表。
また「別れても好きな人」でヒットした「ロス・インディオス」の女性二代目ボーカリストとして参加。その後、テレビ番組でのアシスタントやラジオDJを経て、ワイドショーを中心としたリポーターとして活動を始める。
911NY同時多発テロなどの事件、著名人の葬儀、巨人軍のキャンプの中継など、幅広く取材を担当した。
「唄うように語り、語るように唄う」をモットーに、説得力ある魅力的な「声」と「語り口」で人気。
2010年6月より福岡放送『めんたいワイド』の芸能コーナーにレギュラー出演中
趣味は映画鑑賞、音楽鑑賞、野球観戦、旅行、料理、詩作、絵画。

嵯峨 聖子HP http://www.sagaseiko.com/